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                       武田光弘 第6回個展   〜僕のいた時間 (Y)〜
 


開催期間 2010年6月9日(水)〜6月15日(火) AM10:00〜PM7:00
展示会場 ギャラリーオーク 三鷹市下連雀3-12-7 オークハウス1F
電話0422-44-9591


 

ごあんない  

平成22年6月個展のご案内をさせていただきます。
今年はいつもの八重洲のギャラリーが改装工事のため、三鷹でさせていただくことにしました。私のフランスの友人が毎年個展をしているとても素敵なギャラリーです。

2002年にパリへ行き絵を描く生活に入った時に、まず10年はいろいろやってみて、そのあと10年は自分らしい絵を‥などと、訳のわからないことを考えていました。気がつくともうその10年が近付いています。夢中という言葉どおりで、異郷を彷徨して過ぎた 、夢のような8年であった気がします。 

そんなわけで今年の個展はまことに個人的な動機で、この間の日々を反省してみたいと思い、2003年に今は故人の山本平さんと一緒に行ったモレ・シュル・ロワンから、昨年のストラスプールまでの絵を並べる構成になっています。
去年の取材スケッチも少しまとめて展示しております。  

ご来場下さった皆様がどんなご感想をお待ちになるか、ぜひ率直にお聞かせ頂いて、この後の10年(?)への指針にさせて頂きたいと楽しみにしております。

ご来廊を心よりお待ちしております。                         

        平成22年5月14日        

                                 武田光弘  (無所属・日本美術家連盟会員) 
 


「街/Sous le ciel(ストラスブール)」油彩 100F

フランス北東部、アルザス地方の都市ストラスブールの、ノートルダム大聖堂屋上テラスからの風景です。

アルザスはフランスとドイツとの国境を流れるライン川に近い地方で、戦争のたびにドイツ領になったりフランス領になったりしてきました。
アルフォンス・ドーデの短編集『月曜物語』にある、「最後の授業」という名作が、中学の教科書にのっていたのを覚えていますか。 

普仏戦争でフランスが負けたために、ドイツ(プロイセン)領に併合されることになった、アルザスのある町の学校の国語の授業で、先生が、明日からはフランス語を教えることができなくなることを生徒に伝え た後、胸がいっぱいになり、「Vive la France!(フランス万歳!)」と黒板に描いて、黙って“最後の授業”を終えるお話です。愛国心がテーマでした。

ストラスブールとは街道の街という意味ですが、ドイツとの交通の要衝で年中ドイツからの観光客であふれています。
街のたたずまいもドイツ風の建物が多く見られます。
仏独両国で共同して良質の文化番組の放送を行うTVArteの本社 もあります。また、欧州評議会や欧州議会がおかれているヨーロッパの中心的都市です。 

大聖堂は140mの塔を持ち、世界遺産の旧市街にそびえる ストラスブールのシンボルです。
70mの屋上へは、らせん階段を息を切らしながら登っていくのですが、屋上からの眺めは息を飲みます。屋根の連なりも色彩が実に多様で、街並みの構成も複雑、路や建物の線が微妙にくねっているのです。
その上、この地方独特の屋根の上に突き出ている三角窓の連なりが、なんともいえない味わいを作っています。まさにこの街に生きた人々の記憶や、通り過ぎた長い時間の堆積がそこにあると感動しました。 

私は、昔から高いところからの眺めが好きで、初めての街では必ずと言っていいほど、その街の一番高い建物に上っています。きっとストラスブールの大聖堂で感じたような、ただ街中を歩くだけでは分からない、その街のもう一つの素顔 が見られるからかも知れません。 特に教会は、神に近づこうと高い尖塔を競って作ってきたのですから、塔の上からの風景は、神様や天使たちの目に映る風景だと思えば、まことに恐れ多い、ありがたい楽しみだと思っています。 

古都ストラスブールのノートルダム大聖堂の屋上からの眺めを楽しんでください。