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ごあいさつ
(会場内に掲示)
このたびの東日本大震災で、不幸にしてお亡くなりになられた方々、被災されたたくさんの方々に、こころからのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
心が重い中での個展の準備でした。予定していたすべてではありませんでしたが、なんとか開催をさせていただくことが出来ました。有り難いことだと思っております。
私は長らくメデイアの世界にいた人間ですし、ご覧のとおり何ほどの画才もない、無名の画家のはしくれです。著名な団体に所属どころか、出品をしたこともありません。
ごく最近の美術新聞で、我が国洋画界の頂点に君臨する方が、「日展の洋画は残念ながらアマチュア化している。定年になって絵でも描こうかという人が増えて、その人達が入選をしだすと、展覧会のレベルが低くなってくる。厳しく審査すると出品者が減り、団体の収入が減るのでそれも出来ない」と言っているのを読み、唖然としました。
語るに落ちるというべきでしょう。レベルの低下は全く同感ですが、それは何も定年アマチュア画家のせいだけではないと思います。
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ご本人がそうだとは申しませんが、10年1日のごとく同じ
絵を描き、甚だ失礼ながら年ごとにレベルが低下しているとしか思えない大家の方々もまた、レベルの低下に一役買っておられるのではないでしょうか。
名声も金にも関係なく、好きに生きようと思ってフランスへ行ってから、間もなく10年です。恰好よく云えば、無私のものを求めて、ひとり自由に生きてみたいと選んだ人生です。
今日ご覧頂いたものは、確かに絵の様なものですが、私自
身は自分の生き方についてのエッセイと云うか、文章とは違う文章の様なものだと思っています。それゆえ全体として落ち着きがない、気分屋の性格がそのまま出ている展覧会だと、恥ずかしくてたまらない気分でおります。
来年の個展は、東京を休みにして札幌で開催する予定です。故郷ではじめて恥ずかしい姿をさらそうとしております。
本日はお忙しい中、ご来廊を賜り本当にありがとうございました。
2011年6月
武田光弘 |
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