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ごあいさつ
人の生き死には理不尽なもので、成り行きの様なものです。ですから自分の生き方に理屈をつけても、どこか嘘っぽく気恥ずかしい思いがします。
私の来し方も、まるで成り行きの結果で説明の仕様がありません。放送に関わっていた時も、実は様々な仕事をしていて、とても一筋の道などではありませんでした。
絵を描くのもいわば成り行きでしたが、パリへ行ったことだけは、我が儘というか、自分で選択した道であったことは間違い有りません。
しかしながら、その後はやはり成り行きとしか言いようがなく、個展をさせて頂くたびに何か気恥ずかしい思いを味わっています。
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絵は実に個人的な事象で、たとえ風景を描いたとしてもそれは自画像の様なものだと思います。その意味では、絵は結果として、自分の生きた記録の様な側面があるかも知れません。
また、成り行きにせよ、好きに描いた結果として、絵は少しずつ変化してくるようです。これは実に自然で自分でも不思議に思います。自分の中に潜んでいたものに出会う感じです。
あまり申し上げると嘘っぽくなりますが、今回の個展は、これまでより少しだけ我が儘に描いた結果かも知れません。
ご多用の中、恐縮でございますが、高覧を賜りますようご案内申し上げます。
2013年
5月
武田光弘 |
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